さんが書いた連載小説「落ちてぞ滾(たぎ)つ」の日記一覧

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小説「落ちてぞ滾(たぎ)つ」 蜂谷 涼 著  (3)

 第3部 落ちてぞ滾つ 今日は、久々にシマムラ1号店の空き家になった建物で営業している・ボクのお気に入りの安いレストランで昼食後 この小説の第3部を読み切った。一気に読み切れた。馬鹿々々しいけど、確かに面白い。   「落ちてぞ滾つ」というのは、由津の夫・主水が切腹前に主席家老・栄之進に頼んで詠じてもらった古今和歌集の「血の涙 落ちてぞ滾つ白川は 君が世までの名にこそありけれ」から採って…

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小説「落ちてぞ滾(たぎ)つ」 蜂谷 涼 著  (2)

 第2部 流れて世よに この著者には刑法思想に関する常識が欠けている。刑罰は何のために行うか、昔は「見せしめ」のためだった。社会一般を守るためだった。現在は、民主主義国家では犯罪者自身を更生させるための「教育刑」だ。  この作者は憎しみのために刑罰を行うと考えている。だから、函館戦争でも旧幕府軍の遺体をかたずけさせず、男気のある侠客(元火消の頭)が勇気を奮って遺体片づけをすると、半死半…

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小説「落ちてぞ滾(たぎ)つ」 蜂谷 涼 著  (1)

 著者は小樽商大短大を出て、その後はシナリオや小説執筆一筋だった人のようだが、この小説もすごく引き付ける熱があるが、失礼ながら歴史に関しては非常識・無知なところがあるように感じて、癇に障る。だけど、他人に紹介したくてここに描く。  この作品は幕末を描く中編連作小説3部で、3部とも独立した小説だが、3部併せて一つの物語にもなっている。  第1部は「うつつとは見ず」で、東雲藩江戸詰納戸頭本多家の…