連載:小説「落ちてぞ滾(たぎ)つ」

小説「落ちてぞ滾(たぎ)つ」 蜂谷 涼 著  (3)

 第3部 落ちてぞ滾つ

今日は、久々にシマムラ1号店の空き家になった建物で営業している・ボクのお気に入りの安いレストランで昼食後 この小説の第3部を読み切った。一気に読み切れた。馬鹿々々しいけど、確かに面白い。

  「落ちてぞ滾つ」というのは、由津の夫・主水が切腹前に主席家老・栄之進に頼んで詠じてもらった古今和歌集の「血の涙 落ちてぞ滾つ白川は 君が世までの名にこそありけれ」から採っている。(白川が白川と呼ばれていたのは、あなたがこの世を去る前までのことだ。あなたを失った今となっては、私の前を流れているこの白川も、とめどなく流れ落ちた血の涙で激