水滸の子供達

北方謙三の「岳飛伝 第1巻 三霊の章」を読了した。本書は、「水滸伝」、「楊令伝」に続く北方大水滸伝構想の第三部である。前作「楊令伝」で、梁山泊は頭領の楊令を失った上に、黄河の大氾濫により壊滅的な打撃を受けている。一方。岳飛は、楊令の吹毛剣により右腕を失いながらも、南宋の一軍閥として金国との戦いに備えつつあった。梁山泊、南宋および金国の三つ巴の戦いがいよいよ開始される。
 呉用は黄河の氾濫原の治水工事を強力に推し進め、梁山泊は徐々に回復の兆しを見せ始めるが、物流の道は寸断され、物資の滞留が深刻になり始めていた。そんな梁山泊を、失明して子午山に隠棲していた燕