「北方謙三」の日記一覧

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北方謙三 の 破軍の星

★3.5  北畠親房の長男・顕家の5年間の物語。 元弘3年(1333年)、北畠顕家(あきいえ)はわずか16歳で従三位陸奥守を拝命し、6歳の六の宮(後の後村上天皇)を奉じて陸奥の国府、多賀城(宮城県多賀城市)へ向かう。従うのは南部師行、伊達行朝、結城宗広の兵1500。 陸奥北部の津軽糠部(ぬかのべ)地方の豪族は曾我と工藤の両豪族に青森外浜の安藤家季が加わり反乱。顕家は南部師行を派遣し八戸に…

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英雄の死

 北方謙三の「チンギス紀 (十七) 天地」を読了した。著者はハードボイルド出身の作家であるが、先年完結した大水滸シリーズ等、最近は中国史を題材とした歴史小説が多い。本書は、ユーラシア大陸に拡がる大帝国の礎を築いた英雄チンギス・カンの人生を描いた物語の第十七巻で、シリーズの完結編である。  礼忠館を差配するトーリオはアウラガを出てカラコルムに向かい、耶律楚材に会う。耶律楚材と旅を続けたトーリオは…

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アラーウッディーンの死

 北方謙三の「チンギス紀 (十六) 蒼氓」を読了した。著者はハードボイルド出身の作家であるが、先年完結した大水滸シリーズ等、最近は中国史を題材とした歴史小説が多い。本書は、ユーラシア大陸に拡がる大帝国の礎を築いた英雄チンギス・カンの人生を描いた物語の第十六巻であり、前巻に引き続き、モンゴル軍とホラズム国との戦いが描かれる。  カラ・クム砂漠でモンゴル軍に敗れたホラズム国の帝のアラーウッディーン…

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北方謙三 の 「絶海にあらず 上下」

★3.4 藤原純友の乱を純友の目で描く。 〈上巻〉 北家の傍流である藤原純友はやりたいことも見つからず京でぶらぶらと。初めての任官は伊予の掾で、介の下で治安を司る役目。伊予は郡司の越智一族が支配する地。藤原北家の忠平、良平兄弟は、価値の高い唐物商品の瀬戸内通過を保護し、米や一般の商品の都への流入を厳しく制限していた。純友は徐々に己の直接の部下を増やしていき、瀬戸内の商船流通の自由化に乗り…

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戦いは続く

 北方謙三の「チンギス紀 (十五) 子午」を読了した。著者はハードボイルド出身の作家であるが、先年完結した大水滸シリーズ等、最近は中国史を題材とした歴史小説が多い。本書は、ユーラシア大陸に拡がる大帝国の礎を築いた英雄チンギス・カンの人生を描いた物語の第十四巻であり、モンゴル軍とホラズム国の戦いが描かれる。  オトラルで虐殺された使節団の報復のためにホラズム・シャー国に攻め込んだモンゴル軍は、騎…

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ホラズム・シャー朝との戦い

 北方謙三の「チンギス紀 (十四) 萬里」を読了した。著者はハードボイルド出身の作家であるが、先年完結した大水滸シリーズ等、最近は中国史を題材とした歴史小説が多い。本書は、ユーラシア大陸に拡がる大帝国の礎を築いた英雄チンギス・カンの人生を描いた物語の第十四巻であり、モンゴル軍とホラズム国の戦いが描かれる。  オトラルでイナチュルクに使節団を虐殺されたチンギス・カンは、カサルとテムゲの二人の弟を…

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西遼の滅亡

 北方謙三の「チンギス紀 (十三) 陽炎」を読了した。著者はハードボイルド出身の作家であるが、先年完結した大水滸シリーズ等、最近は中国史を題材とした歴史小説が多い。本書は、ユーラシア大陸に拡がる大帝国の礎を築いた英雄チンギス・カンの人生を描いた物語の第十三巻でありる。本書では、中国の河北を征服した後、西遼を簒奪した元ナイマン王国の王子のグチュルクを討って西遼を滅ぼし、遂に西方の雄ホラズム・シャー…

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北方謙三 の 悪党の裔(すえ)上下

★3.5 西播磨の千草川上流にある赤松村の悪党を自認する豪族である赤松円心の半生を描く。 〔悪党の裔(すえ)上〕 時代は元徳元年(1329年)頃、尊雲法親王(後の大塔宮護良親王)が天台座主となって叡山の僧兵を集めて武術の鍛錬を始めた。正中の変(元亨4年、1324年)から5年後のこと、各地で悪党と呼ばれる者たちが蜂起し、六波羅探題などがその鎮圧に手を焼いていた。摂津、河内、和泉では楠木正成がこの…

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耶律楚材の臣従

 北方謙三の「チンギス紀 (十二) 不羈」を読了した。著者はハードボイルド出身の作家であるが、先年完結した大水滸シリーズ等、最近は中国史を題材とした歴史小説が多い。本書は、ユーラシア大陸に拡がる大帝国の礎を築いた英雄チンギス・カンの人生を描いた物語の第十二巻であり、金国に侵攻して燕京を陥落させ、女真族の故地を支配するに至ったチンギス・カンの姿が描かれる。  ダイルとチンカイは、モンゴル族の西方へ…

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梁山湖に立つチンギス・カン

 北方謙三の「チンギス紀 (十一) 黙示」を読了した。著者はハードボイルド出身の作家であるが、先年完結した大水滸シリーズ等、最近は中国史を題材とした歴史小説が多い。本書は、ユーラシア大陸に拡がる大帝国の礎を築いた英雄チンギス・カンの人生を描いた物語の第十一巻であり、従来のモンゴル族の騎馬隊に加え、歩兵部隊と工兵部隊を整備して金国に侵攻したチンギス・カンの姿が描かれる。  モンゴル軍は太原府を囲む…

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母親ホエルンの死

 北方謙三の「チンギス紀 (十) 星芒」を読了した。著者はハードボイルド出身の作家であるが、先年完結した大水滸シリーズ等、最近は中国史を題材とした歴史小説が多い。本書は、ユーラシア大陸に拡がる大帝国の礎を築いた英雄チンギス・カンの人生を描いた物語の第十巻であり、草原で最後まで抵抗したメルキト族を服属させ、歩兵部隊と工兵部隊を整備し、金国侵攻を企てるチンギス・カンの姿が描かれる。  ホラズム・シャ…

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ハーン 草と鉄と羊 読書感想

『ハーン 草と鉄と羊』 7巻まで読みました。 物語は源義経(牛若丸)がモンゴル大陸に渡り、テムジンとしてチンギス・ハーン(草原の王)を目指す歴史大作。 北方謙三先生の『チンギス記』の影響でモンゴル大陸の歴史に興味を持ち、内容・登場人物も分かるためすっと頭に入ってきました。 初読の方はとにかく部族名・登場人物の名前(全員カタカナ)に慣れるまでは少し時間がかかるかも。。。(妻は文字は読まずに絵だ…

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ジャムカ死す

 北方謙三の「チンギス紀 (九) 日輪」を読了した。著者はハードボイルド出身の作家であるが、先日完結した大水滸シリーズ等、最近は中国史を題材とした歴史小説が多い。本書は、ユーラシア大陸に拡がる大帝国の礎を築いた英雄チンギス・カンの人生を描いた物語の第九巻であり、モンゴル族を統一したテムジンがチンギス・カンに推戴され、かつての盟友であったジャムカと最後の決戦を行うまでが描かれる。  テムジンはナイ…

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著者別インデックス:国内(北方謙三)

1.弔鐘はるかなり (1981.10) 2.逃がれの街 (1982.04) 3.眠りなき夜-谷道雄シリーズ 1- (1982.10) 4.さらば、荒野-ブラディ・ドール 1- (1983.01) 5.檻 (1983.03) 6.真夏の葬列 (1983.05) 7.友よ、静かに瞑れ (1983.08) 8.逢うには、遠すぎる (1983.09) 9.鎖 (1983.11) 10.…

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草原の覇者

 北方謙三の「チンギス紀 (八) 杳冥」を読了した。著者はハードボイルド出身の作家であるが、先日完結した大水滸シリーズ等、最近は中国史を題材とした歴史小説が多い。本書は、ユーラシア大陸に拡がる大帝国の礎を築いた英雄チンギス・カンの人生を描いた物語の第八巻であり、モンゴル族を統一したテムジン(のちのチンギス・カン)がケレイト王国のトオリル・カンを破り、草原の最大勢力になるまでが描かれる。  テムジ…

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北方謙三とアウトドア

北方謙三の「杳冥(ようめい)チンギス紀 八」を読了しました。 楊家将から始まり大水滸伝シリーズ(水滸伝・楊令伝・岳飛伝の全51巻)を経て現在の「チンギス紀」に受継がれた物語に設定されている北方氏の壮大な中国歴史物語です。 北方氏は元の建国者であるチンギス・ハーンが大水滸伝シリーズの最高の英雄である楊令(北方氏が創作した人物)の子孫という大胆な設定を採用しました。 また、宋の守護神の楊業が愛用…

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草原を二分して

 北方謙三の「チンギス紀 (七) 虎落」を読了した。著者はハードボイルド出身の作家であるが、先日完結した大水滸シリーズ等、最近は中国史を題材とした歴史小説が多い。本書は、ユーラシア大陸に拡がる大帝国の礎を築いた英雄チンギス・カンの人生を描いた物語の第七巻であり、テムジン(のちのチンギス・カン)がケレイト王国のトオリル・カンと連合し、モンゴル族ジャンダラン氏のジャムカ、タイチウト氏のタルグダイと、…

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ウルジャ河の戦い

 北方謙三の「チンギス紀 (六) 断金」を読了した。著者はハードボイルド出身の作家であるが、先日完結した大水滸シリーズ等、最近は中国史を題材とした歴史小説が多い。本書は、ユーラシア大陸に拡がる大帝国の礎を築いた英雄チンギス・カンの人生を描いた物語の第六巻であり、テムジン(のちのチンギス・カン)がモンゴル草原を制覇する第一歩となる、タタル族を撃破する「ウルジャ河の戦い」が描かれる。  タタル族の度…

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玄翁死す

 北方謙三の「チンギス紀 (五) 絶影」を読了した。著者はハードボイルド出身の作家であるが、先日完結した大水滸シリーズ等、最近は中国史を題材とした歴史小説が多い。本書は、ユーラシア大陸に拡がる大帝国の礎を築いた英雄チンギス・カンの人生を描いた物語の第五巻であり、同じモンゴル族のタイチウト氏との戦いの中での、テムジンと玄翁の壮絶な闘いが描かれる。  テムジンは、モンゴル族の最大勢力であるタルグダイ…

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メルキト族との闘い

 北方謙三の「チンギス紀 (四) 遠雷」を読了した。著者はハードボイルド出身の作家であるが、先日完結した大水滸シリーズ等、最近は中国史を題材とした歴史小説が多い。本書は、ユーラシア大陸に拡がる大帝国の礎を築いた英雄チンギス・カンの人生を描いた物語の第四巻であり、モンゴル草原における覇権争いに関与し始めたテムジンの姿が描かれる。  鉄鉱石を運ぶ船の建造の情報収集にために豊海(バイカル)に派遣した人…