母夜叉、沙門島に死す

北方謙三の「岳飛伝 第9巻 曉角の章」を読了した。岳飛伝は、水滸伝、楊令伝に続く、北方大水滸シリーズの第三部である。
 簫?材は、麦秋を迎えた金国において麦の流通に微かな異変を感じ、また恣意的な課税に不審を覚えて、丞相の撻懶に会いに燕京へと向かう。撻懶の病状が悪化し亡くなると、魯逸は簫?材を幽閉する。撻懶の死を知った南宋宰相の秦檜は、蒙古による金国の後方撹乱の謀略を開始する。
 韓世忠は、関係が破綻した妻の梁紅玉に、日本での昆布交易の道を開拓することを命じ、自身は沙門島攻撃を開始する。しかし、重要な物資は既に運び去られており、沙門島はもぬけの殻だった。沙