小梁山での激戦

北方謙三の「岳飛伝 第10巻 天雷の章」を読了した。岳飛伝は、水滸伝、楊令伝に続く、北方大水滸シリーズの第三部である。
 張朔率いる梁山泊水軍と韓世忠率いる南宋水軍は、遂に長江で激突し、練度に優る梁山泊水軍が南宋水軍を撃破する。その激突に隠れて項充と狄成は、無為軍の造船所焼き討ちに向かい、厳重な警戒網を掻い潜って造船所を焼き払うことに成功する。死を賭した項充と狄成であったが、二人は奇跡的に生還する。敗れた韓世忠は、秦檜により降格させられる。しかし、国力の充実してきた南宋は、直ちに大規模な造船所の建設を開始し、長江の河岸にある梁山泊水軍の拠点を一つずつ潰し