蜂の一刺し

東野圭吾の「天空の蜂」を読了した。著者は、直木賞作家で、ミステリーを主分野としている。本書は1995年に上梓された少し古い作品であるが、高速増殖炉「もんじゅ」をモデルとした原発テロを描いており、現時点で読んでもなかなか興味深い作品である。
 錦重工業航空機事業本部所属の湯原と山下は、防衛庁から受注した大型ヘリコプター「ビッグB」の領収飛行の日に、それぞれ家族を見学に連れて行く。しかし、好奇心から格納庫に忍び込んだ山下の息子恵太を乗せたビッグBは、何者かの遠隔操作によりパイロットを乗せずに離陸してしまう。やがて高速増殖炉(FBR)の実験炉である「新陽」に1