梁山泊軍と金国軍の激突

北方謙三の「岳飛伝 第11巻 烽燧の章」を読了した。岳飛伝は、水滸伝、楊令伝に続く、北方大水滸シリーズの第三部である。
 南宋の交易船隊を率いる梁紅玉は、日本人の炳成世の協力を得て、阿波で交易の根拠地作りを開始し、交易の途を本格的に探り始める。
 北京大名府の近くで梁山泊軍と対峙を続けてきた金国軍総帥の兀朮は戦機を計り、金国軍の集結を開始する。しかし兀朮には皇太子の海陵王という後顧の憂いがある。好戦的な海陵王は、徴兵により禁軍の増強を企て、内政にも容喙し始めてきた。一方、戦機を感じた梁山泊軍総帥の呼延凌も対決の準備を進める。
 岳飛の岳都は二万人の規模を