花の色は うつりにけりな いたづらに

花の色は うつりにけりな いたづらに
   わが身世にふる ながめせしまに

この歌は『 小倉百人一首』(9番)  

『古今集』春・113にある 小野小町 の歌です。

小町のつぶやき

 いやだわ、栄え咲き誇った桜の花も、むなしく
 色あせてしまったわね。
 私が降り続く長雨でぼんやり時間をつぶして
 いるうちに。
 かつては絶世の美女よ花よと謳われた私も、
 みっともなく老けこんでしまったものね。
 恋だの愛だの、他人との関わりのような事に
 気をとられてぼんやりしているうちに。
 としは取りたくないわね。

彼女は六歌仙の一人。三十六歌仙の一