名探偵ワトスンの冒険

島田荘司の「新しい十五匹のネズミのフライ−ジョン・H・ワトソンの冒険−」を読了した。著者は御手洗潔シリーズ、吉敷竹史シリーズ等で知られる本格派の推理小説作家である。本書はシャーロック・ホームズのパスティーシュではあるのだが、ホームズ自身はコカイン中毒で殆ど使い物にならず、その代わりにワトスンが大活躍するという物語である。
 主人公のワトスンは、第二次アフガン戦争に軍医として従軍して瀕死の重傷を負うが、奇跡的に助かる。インドの病院で療養するワトスンは、同じく入院していた負傷兵のサディアス・ショルトーから、イギリス軍が略奪した藩王の財宝の話を聞かされるが、そ