金国軍総帥逝く

北方謙三の「岳飛伝 第16巻 戎旌の章」を読了した。岳飛伝は、水滸伝、楊令伝に続く、北方大水滸シリーズの第三部である。
 南宋の宰相の秦檜は病むが、南宋の行く末を思い寝付くことは出来ず、国の基礎固めに注力する。秦檜は無能な皇帝父子を国政から遠ざけるため、彼等に特産物の絹に画を描くことを勧める。南宋水軍は、小梁山侵攻のための根拠地建設を急ぐ。
 兀朮に叱咤された海陵王は、自ら軍頭に立って戦いを挑むが、梁山泊軍には歯が立たない。その間に梁山泊が義勇軍により雄州と北平寨を落としたため、金国軍の退路が塞がれる。それを知った兀朮は、軍議で賢しらな言葉を吐く海陵王の