連載:宗教

なぜ、わたしたちでなく・・・

先日の宗教の集いのなかで交わされた会話の一部が、どうも頭のなかで不発弾のようにくすぶっている。意見を述べる場の中で、自分は最後まで言葉を尽くして語らなかった。そのため、形にされる機会を失ったままのことばのかけらが胸にある。そのことを記しておきたい。

それは具体的には健常者と障害者の差という会話の中だった。障害者はなぜ保護されなければならないのか、という問いかけに対し、たんに可哀想だからとか、能力が劣るからという観点からは、本当の答えがけっして生まれない。そう思ったのだが、うまく言葉にならなかった。

この話は「差別」と共通することがらである。
障害者は