連載:宗教

矛盾の言葉に満ちた歎異抄

歎異抄の輪読会を開催して勉強を続けている。親鸞の言葉を伝えたとされる歎異抄は、矛盾した言葉のオンパレードである。よくよくその言葉を考えてみると、おかしいな、変だなと感じることが多く、常識的な意味で読もうとすると、罠だらけである。

前々回に、第二条を読んだ。このようなことが語られている。
「念仏は浄土に生まるるたねにてやはんべるらん、また地獄に堕つる業にてやはんべるらん、総じてもって存じせざるなり。」

救われたいという一心で道を求めて何十年と苦闘したはずで、その目的といえば救われるということに尽きる。親鸞は最終的には法然に出会い、念仏の道こそ求めていた