松井今朝子の「料理通異聞」。

★3.3 悪い癖で作者のあとがきの方から先に読んでしまった。作者は曾祖父の代から続く京都の割烹料理屋「川上」の長女として祇園にに生まれ育ったとある。

京と江戸では食文化も違ってはおろうが、何やら奥深い世界ではある。

浅草新鳥越町の寺町相手の精進料理を専門とする福田屋の息子・善四郎。お斎の料理だけに飽き足らなくなった善四郎は、吉原の客などにも饗する料理をと、改築して「八百善」を開く。

料理は江戸一と言われるまでに上り詰めていく。ミソは若いころからの文人墨客との交わり、彼らのくちづてから名声を得たのかも。

物語の前半は試行錯誤していく過程を描き面白い