曙光と夜行

 森見登美彦の「夜行」を読了した。著者はファンタジー作家で、2003年に「太陽の塔」で第15回日本ファンタジーノベル大賞を受賞してデビューしている。本書は、京都の鞍馬火祭りの夜に失踪した人物を巡るホラー風味の幻想小説である。
 大橋を初めとする六人は、年齢は異なるが、京都で学生時代を過ごし、同じ英会話スクールに通った仲だったが、十年前、鞍馬の火祭りを訪れた夜に、仲間の一人の長谷川さんが突然姿を消した。大橋は十年ぶりにかつての仲間達に連絡を取り、再び鞍馬の火祭りを訪れ様としたが、宿に向かう途中で、長谷川にそっくりな女性が画廊に入って行くのを見る。その画廊で