岩井三四二の「絢爛(けんらん)たる奔流」。

★3.8 一気読み、職人事業もの。

江戸初期、京で後藤家、茶屋家に並ぶ商人の角倉(すみくら)家の主・了以は朱印船貿易と土倉業の財を背景に新たな事業に乗り出す。

大堰川(保津川)の開削通船事業に成功すると幕命による大井川、天竜川の通船事業に。

そして最後は後世に名をなす高瀬川の設置事業に取り組む。

商人であり算法家、現場監督でもある、採算を睨みながらも己の夢にかける了以と、家運を気にかけながら支える息子の与一。

土木事業の施工の詳細を熟知し、時の役人にうまく取り入る政治感覚に長けた男。仲間と散策した高瀬川オフ会が懐かしい。

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