井口朝生の「鬼姫剣法」。

★3.5 どなたかのレビューで手にした一冊。父は山手樹一郎で、親子2代の時代小説作家も珍しい。

1960年が初出のようだが、文庫は1983年、新装版として1987年春陽文庫から。

図書館の閉庫書庫から引っ張り出し、頁19行という小さな活字に挑んで、勧善懲悪ものの娯楽作。

時代は家斉が西の丸で大御所政治をとる頃、金と女にものをいわせ摺り寄る3佞臣。弾劾しようとした戸田将監は毒殺された。

父の仇を討とうと白装束に身を包み小太刀の使い手として暗躍する娘・伊津姫。

交代寄合の旗本・土屋家の末子・鉄之進はふとしたことで助勢することに。子分となった米吉の活