皆川博子の「妖櫻記  上下」。

★3.5 版社変え新装。

応仁の乱の少し前、「嘉吉(かきつ)の乱」、「禁闕(きんけつ)の変」、「長禄(ちょうろく)の変」を背景に描くホラーファンタジー。

赤松満祐の妾である玉琴を亡き者とした三条の娘・野分、玉琴の怨霊がそれぞれの息子、娘を交えて襲う。

物語は南朝の血を引く阿麻丸(あままる)と野分に仕える兵藤太の二人の若者を中心に描く。

阿麻丸は三種の神器争奪に巻き込まれ、兵藤太は前記の息子、娘の出自に係っていく。

上巻はおぞましい光景で始まり、満祐と同じ短躯の猿楽演者や尻の尖った蝦蟇なども登場し怪奇さを増す。男を誘う女も次々登場する。

下巻は