逢坂剛 の 奔流恐るるにたらず  重蔵始末8

★3.3 シリーズ8作目で完結編。

16年かけた大作も最後を迎え感慨深い。最後は息子・富蔵のやくざ一家斬殺事件に連座し、江州の分部家にお預けとなり病没、59歳。
注)息子の富蔵は八丈島への流罪となり、「八丈実記」を残し、83歳で没している。

幼児の頃から神童と呼ばれ、5回もの蝦夷地御用を務め数多くの著作を残した。毀誉褒貶半相半ばする難しい人間像。最後に泳ぎと雷が嫌いだったと団平にもらすところは笑ってしまったが・・。

幕府という人間組織には収まり切れなかったのだろう。配下であった橋場余一郎と若党の根岸団平の気苦労は絶えなかった。楽しんでいた節もあるが