連載:クラシック

年末恒例の「第九」及びもう一つのベートーヴェン

多くの日本人にとって、歳末にベートーヴェンの「交響曲第九番(合唱付き)」を聴くことはまるで歳時記の一つになってしまったほどである。世界中でもこの時期に、日本人ほどこの「第九」を愛し、「第九」に耳を傾けるのは、殆ど例をみないほどらしい。
 wakohにとってもそれはまさに当てはまる。wakohが二十数年以上、2つの交響楽団の年間会員を続けていることは、すでに何度もこの日記上でも述べて来たとおりだ。読売日響と、東京フィルの前身の一つ新星日響では、12月の定期演奏会の曲目はずっと「第九」だった。東京フィルになってからは、「第九」は特別演奏会でやられるようになっ