「北朝鮮に消えた歌声 永田絃次郎の生涯」喜多由浩著

日本で一世を風靡したテナー歌手、永田絃次郎(金永吉)は北朝鮮に帰国して、どのように生涯を終えたの謎に迫った一冊です。

永田絃次郎は明治42年(1909年)に平安南道で生まれた。昭和3年に来日した。軍楽隊で学んだあと、テナー歌手としてデビュー。28歳で三浦環の凱旋公演、『蝶々夫人』の相手役に抜擢され、ピンカートン役でスターに。

51歳(昭和35年、1960年)で、日本人妻、子供と友に北朝鮮に帰国した。すぐに功勲俳優に列せられ、ソ連、東欧諸国、中国などで海外公演を行った。また、金日成自身から直接激賞されるなど、華々しい活躍だった。

数年後、永田の消息が