矢野隆 の 山よ奔れ

★3.3 幕末の筑前勤王党と博多祇園山笠の男たちを描く。

土佐と同じくここにも尊王攘夷を先走りする月形洗蔵たち筑前勤王党の物語があった。ここでも「わくろう(蛙の意)どん」と称される下級武士たちが多数を占める。幕府の一次長州征伐で、その調停に奔走し、都落ちの公家を引き取り高杉を匿うが・・・。

やがて、藩主の気持ちが一転し、勤王党を冷遇し始めることに・・・。勤王党の先行きを憂う洗蔵は、博多の街で最も勢いを持つ「のぼせもん」たちに着目する。長州の奇兵隊のごとくそのエネルギーを藩論改革へ向かわせようとす目論むのだが・・。

皆からのぼせもんの代表と目される九