朝井まかて の 雲上雲下(うんじょううんげ)

★3.3 御伽話のファンタジーというか、既存の御伽話のスピンアウト作品というべきか。

浦島を運んだ亀が今度は猿を竜宮へ運ぶがそこでの企みは・・。龍の子太郎(小太郎)が実の母を探しに竜神の湖に・・。

和尚の袈裟を借りて村の猫どもに説教する三毛猫の話もどこかで読んだような。六地蔵から礼にともらった笠を小太郎が(表紙)、とにかくあっちこっちに懐かしい話が繋がっていく不思議な展開。

語るのは森の大きな草、実は福耳で大きな袋を背負ったあのお方であったとは。聞き手は妖狐の玉藻前を母に持つ子狐と山姥。

文中で、作者は嘆いてもいる。御伽話は地上から消え去ろうとし