若い頃に、村野四郎のこの詩に触れ、詩という表現が、
人生の一つの断面を切り取り、それを永遠に定着する
ものだと感嘆した。
それ以来、同人誌を立ち上げてみたり、
自らまねごとをして詩を書いたりするようになったの
だから、自分にとっては記念碑的な作品だ。
この詩のことを思い起こしたのは、のちに述べるが、
理由がある。それはさておき・・・
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鹿
村野四郎
鹿は 森のはずれの
夕日の中に じっと立っていた
彼は知っていた
小さい額が狙われて