「紀」の対外活動記事に「吉士(きし)」の名が数多く見られる。
「吉士」は、「吉志」・「吉師」・「企師」とも表記される。
新羅の17位の官位制の14等に「吉士」があり、本居宣長はこれに依ったとしているが、
王仁を「王爾吉師」、阿直岐(あちき)を「阿知吉師」と記すなど、「キシ」を渡来氏族の祖名の下に付ける称号として用いて居り、
百済の王を表す「コニキシ」「コキシ」(「コ」=大)があり、「キシ」は族長・首長を意味し、
新羅の官位もこの呼称を流用したと考えられるので、官位呼称の継承と考える必要はないと著者はいう。
「吉士」は、ウジと同時にカバネや称号