連載:宗教2

いずれも、分別心をぶち壊すことには変わりない (自分のためのメモ)

臨済禅の方では公案を通じた問答によって、しだいに分別やこだわりなどの雲を晴らしていくことを眼目にしていると思われる。たとえば「父母が生まれる前の自分は何か。それを見つめてこい。」というような感じだ。父母が生まれる前に自分がいるはずがない、というのが常識的な観点だから、途端に矛盾した論理の中に放り込まれて、答えろと求められる。無理難題、無茶苦茶な問いかけと言っていいだろう。

では他力道と言われる浄土真宗などではどうなのか。苦行のようなこともなく、ただ法話などを聞くことで心境を深めていくというスタイルで、そこには謎かけのような問答などはない。しかしながら禅