高橋義夫 の かげろう飛脚 鬼悠市風信帖2

★3.5 シリーズ2作目。前作より3年が経過し養子の柿太郎も15歳になっている。今回は分家の黒岩藩2万石に係る話。

藩主は本家の松ケ岡藩から養子に入った水巻忠正。黒岩藩の家老・日向杢兵衛が隠居させられ本家預かりとなって悠市が長源寺で警護することになった。

飢饉で米収が半減したなか、藩主の施政に抗して隠居を迫ったらしい。謹慎中の杢兵衛は江戸からのかげろう飛脚による連絡を待っているという噂が。

黒岩藩の揉め事が松ケ藩に飛び火し、奏者番の加納正右衛門も危機に陥った。甘木湊を預かる城代・奥谷三郎右衛門、中老の清宮左太夫、江戸の留守居役が結託してのこと。