（15年ほど前からの数年に体験したことを元にでっちあげたフィクションです＾＾；）



　電気工事業界の下請けの実態を、この仕事で山田は初めて知った。

　電力供給会社からの発注を、大手電気工事会社数社が受注し、その多くが下請けの零細中小企業に丸投げされる。

　丸投げされた零細企業も、更に親方と呼ばれる個人事業主に丸投げする。

　親方は何人かの職人を雇っている。

　基本的にその職能に応じて日給月給で給料が支払われるが、職人は社員ではない。したがって何の保証もない。

　現場で職人達が名のる所属組織は、仕事を請け負った会社ではない。大手電気工事会社の