植松三十里 の 大和維新

★3.7 現在の奈良県が廃藩置県後の成立過程において、和泉や河内との併合、更には大阪府への併合という混乱にさらされるなか、大和の誇りを盾に分離独立を勝ち得ていく物語である。

古都奈良の南西にある法隆寺の近く安堵村の庄屋の家に生まれた今村勤三(実在、後の国会議員)は、幼かったがために(13歳)天誅組の変(1863年)に参加できなかった(伯父の今村文吾は天誅組の立役者)。今村勤三にとって、大和の地がこの天誅組を産み、それに係る血筋であるということが、将来にわたって誇りであり一貫した郷土愛に繋がることになる。

彼にとっては和泉はまだしも河内や大坂はなじめな