読書日記 『東京セブンローズ』 井上ひさし

 敗戦国日本の「国語ローマ字化」計画はほんまにそんなことがあったんかいな、と子供のころから抱いていた疑義でしたが、どうやら噂とかそんなものではなくて、ほんとうに実施されようとしていた占領政策のひとつであったらしい。そして、この計画に積極的に協力していたのが戦前は軍国主義国語教育を推進していた学者連であったそうな。

 井上ひさしは日本語を正しく守ろうとした作家のひとりとして知られている。その彼が「日本語ローマ字化」を物語に仕立て上げたのがこの作品なのです。

 私たちが今日日本語を日本語として使っていられるのも「七人の乙女」のおかげであって、国民に対して