さくらももこ著「たいのおかしら」「さくら日和」を読む

「たいのおかしら」 さくらももこ著 集英社
1993年7月20日発行
ー20代はひとりで歩いてゆく年代になる予感がしていたが、今日の今の気持ちをどんな時も覚えていようと思った。
 その翌年上京し、私は本当にひとりで歩いてゆくことになった。不安や悲しみも全部ひとりで背負って進んでゆかなくてはならなくなったが、それは自分自身で決めた事だったし、進んでゆくその先がどうなってゆくのか味わえるのも自分自身だけだ。
 20歳になるあの日、まっすぐに歩いてみようと思ったことは、今も私の大きな糧になっている。歩いただけで表面的には何事も起こらなかったが、内面的に起こった