白石一郎 の 蒙古の槍―弧島物語

★3.5  7つの島を題材の短編集。

「蒙古の槍」は元寇の舞台・鷹島の老人の経験談。
「人名の墓」は塩飽諸島の本島での人名制度の船乗り。
「巨船」は志摩の答志島で最期を迎えた甲鉄艦の九鬼嘉隆。
「長すぎた夢」は幕末に小笠原諸島探検のきっかけとなった小笠原氏の末裔。
「三十人目の女」は瀬戸内の大崎下島の遊女屋に厄災を持ち込んだ女。
「鉄砲修行」は琵琶湖湖畔の国友村が寂れ新技術を求め種子島に向かう若き鉄砲鍛冶。
「献上博多」は博多帯を江戸庶民に広めた陰に博多の名からとった瀬戸内伯方島の女が。

「蒙古の槍」「巨船」「長すぎた夢」などが、大きな歴史事象とから