青山文平 の 跳ぶ男

★3.4 藤戸藩は2万2千石の貧乏藩、大名のたしなみとされるものでは能のみにしか財を使えない。

御手役者の屋島家の長男で15歳の剛(たける)に藩の上層部から密命が持ち込まれた。16歳で急死した藩主の身代わりとなること。天保の時代、幕府の法では急養子が認められるのは17歳からで、あと7ケ月である。

剛は17歳で抹殺される危惧もありながら、旧友の夢を達成するためにこの任務を引き受けた。かくして藩主としての能を演じる外交が始まる。17歳で死ぬことを覚悟の剛は幕府に貸をつくり、国を富ませる案を・・・。

能の世界と江戸城内の拝謁のしくみなどを詳述していて興味