連載:自分史

− 警備士時代(中) −

I警備士の噂は色々聞いていた。
『支社一怖い人』
『あの人を怒らせると何が起こるか分からない。考えるのも恐ろしい』
『笑顔を見た事が無い』
『警備の腕はウチの支社一』
などなど。

私が所属していた支社は神奈川県で一番規模が大きかった。隊員も数百名から在籍している。
私は、I警備士と組んで仕事をしたことが無かったが、見知ってはいた。
無駄に顔が怖い人だと思った。
私は密かに『鬼瓦権三』とあだ名を付けた。

【瀬谷区全域のJ:COMケーブルを張り替える・工事期間未定・リーダーとサブリーダーの常駐希望・日勤夜勤あり】

無茶苦茶な仕事である。
支社はまずI警