連載:自分史

− 警備士時代(下) −

平成18年9月9日
鬼瓦権三と私は結婚した。
権三40歳、私は38歳だった。

勢いで一緒になった、というしか無い。
先の事など何も考えていなかった。
お互い一銭の貯金も無い。
バカとバカが結婚してしまったのだ。
それは、後々嫌というほど痛感することになる。

プロポーズの時に、権三は、
権三:俺がお前を守る!
と約束した。
結婚して12年。今でも権三は権三なりのやり方でその約束を律儀に守っている。権三の、その素朴で頑固な想いが無かったら、この結婚はとうに破綻していただろう。

夫と私は、私の生家と義姉の家の中間地点に新居を構えた
家賃は7万5千円。