木下昌輝 の 炯眼(けいがん)に候

★3.3 信長の周辺に題材を求めた7つの短編集。

「水鏡」は神仏を敬う一方で天罰や仏罰は一切信じなかった信長。馬廻りの荒川新八郎の水鏡に映った死の予言のからくりを解き明かす信長の合理主義。

「偽首」は桶狭間で一番手柄としたのは簗田出羽守で義元の首を取った毛利新介としなかった信長。首を詳細に点検した信長は奪首と知っていたのか。

「弾丸」は信長を狙撃し、竹鋸で処刑されたとされる杉谷善住坊への信長の目論見。家臣が鉄砲は女子供の戦法と蔑視するのを見た信長が採った策。

「軍師」は信長公記にある話で、「山中の猿」に慈悲をかける信長。山中の近くに常盤御前