辻堂魁 の 介錯人

★3.5 「月夜行 風の市兵衛4」に登場し、スピンオフ作品として文庫「介錯人別所龍玄始末」から4年、今度は単行本で続編が出るという珍しいパターン。

時代は寛政元年(1789年;天明の大飢饉や内裏炎上などのため改元)のこと。4つの連作短編。22歳の別所龍玄は奉行所牢屋敷の首打ち役同心の手代わりを生業としている。立場上は浪人ではあるが、龍玄の腕が評判となり、武家の秘かな自裁に介錯人を依頼されている。

「捨子貰い」では幼なじみの遺言を果たすべく破落戸相手に壮絶な剣技を発揮する。「蔵の中」では剣技者同士の対決で太刀筋が詳述される。両編とも首を斬られる者のそこ