地上10メートル以上はある木々がざわざわと大きな音を立てている。よかった、朝一番に家の中に入れておいて。
6周したのでこれでやめます」
「えっ?!やめるの?」
「わかりました!まだ走ります」
この先輩は誰に対しても分け隔てなくサポートの手を差し伸べる。
朝早く目覚めた。昨日までの暑さは漸く和らいだが、代わりに強風が吹き荒れていた。
1メートル近くになった百合が心配だ。植物に風は大敵。一番沢山蕾を付けた鉢をリビングに入れ、あとは支柱で支えた。
今日は市民の森で自主練習の日だ。着いた時には誰の姿も見えなかった。1周は歩こう。
後ろから来た仲間