梶よう子 の とむらい屋颯太

★3.5 6つの連作短編。
颯太は新鳥越町2丁目でとむらい屋を営んでいる。16歳のおちえ、僧侶の道俊、棺桶作りの勝蔵と弟子の正平、雑用係の寛次郎を使っている。

付近を受け持つ南町の定町廻り同心は韮崎宗十郎と17歳の小者・一太。出入りしている町医者の巧重三郎は南町奉行・榊原主計頭忠之の遠縁に当たる。

物語は何らかの事件の結果による御用の葬儀と、死者の生前のしがらみがからんでくる。だが、颯太の葬儀に関する考えが、「弔いは死人のためにではなく残された者のためにやる。あの世もあるかどうかも分からなが、あると思えるから人は死ねる」と割り切ることから、ベタなお涙