冷静と情熱のあいだ

キャンパスには、はち切れそうな若者群像があった。

スクランブル交差点の横断歩道の信号が、いっせいに
青になった時のように、四方八方から若者たちが行き交う。

19歳の私が、初めて故郷をあとにして見た光景だった。
何もかもが珍しく、何もかもが刺激的で、華やかだった。

大人になって社会人になる一歩手前の自由な歳月を
私は思いきり満喫したかった。
あの頃は、ただ若すぎて思慮深さに欠けていた。

大学で何か目標を持って学ぼうという気概を後回しに
して、私は信頼のおける友人を、いや恋人を探すために
キャンパスライフを活用したかったのか‥

結論から言ってしまえ