桃源郷に身を置いて


夜半降り続く雨、それでなくとも少し増水気味の流れを思うと、
気の思い朝の目覚めだった。

それでも朝餉の頃は弱まり、山を包む雲の登り始めると、
雨も断続的になり、取り敢えずは竿を持って…

流れの底は見える物の、流速は強く早く徒渉の足元を押し流す。
それでも竿を振れば、随所でアマゴが、イワナが毛ばりを追い、
今季初の釣りを祝うかのように対話が楽しませてくれる。

時折雨が落ち、屋根の下へ避難するも、
燃え盛る焚火の下で、渓を語り、渓からの恵みを甘受し、
好きな桃源郷の中で、時の流れに身を委ねる幸せを噛み締めつつ…

カテゴリ:スポーツ・アウトドア・レジャー