連載:あけび庵の日記

あけび庵の日記

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あけび庵の日記
喪中
妻の兄が五月に六十八歳で亡くなった。
親族の別れは後から効いてくる。寂しい
ものだ。遺品整理が済まされ、がらんと
残された家も哀れだ。後にエンディング
ノートを見れば書きかけだった。やはり
人あっての家なのがしみじみ感じられた。
思い出とともに記憶の彼方になっていく。
そんな思いの中人は人生の最後になにを
残していくというのだろうか。辞世の句
でもしたため別れの用意も一計である。

俳句のまとめ
秋刀魚焼き愁い苦しと煙立ち
毬栗を割って顔出す虫の穴
鎌倉のシラス小舟や秋の海
倉敷や地酒のれんに秋風情
しみしみと秋の月なり