連載:シニア

「最後の手段よ」

だ、誰か聞いてよ。一度閉まったドアがまたあいて、太目の女性が乗ってきて、躊躇う様子もなく私の隣に。

直ぐに扇子を出して右手で扇ぎだしたの。私は彼女の左側に座ってる。風は全部私を直撃。

香水混じりの人の匂い。決して強すぎる香りじゃなくても、こんなに不快なんだ。

彼女はしっかり首元まで防寒してる。まずスカーフやマフラーを外して欲しい。扇子を使うのは最後の手段。

誰かに聞いてほしくて。久しぶりに書いた日記なのに。

カテゴリ:旅行・お出かけ