ミステリー作家と名探偵達

 法月綸太郎の「法月綸太郎の消息」を読了した。著者はミステリー作家で、いわゆる新本格派の代表的作家である。本書は「法月綸太郎」シリーズの7年ぶりの最新作で、4篇を収録した短編集であり、同シリーズ初登場以来30年目の作品である。なお、ここでいう「法月綸太郎」はミステリー作家ではなく、作家の法月綸太郎により創作された、名探偵としての「法月綸太郎」という人格である。
 「白面のたてがみ」:本篇は、シャーロック・ホームズとコナン・ドイル、そしてG・K・チェスタトンに関する評論を、小説風に仕上げた作品であり、シャーロック・ホームズについて書かれた、オカルト研究家堤