「法月綸太郎」の日記一覧

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黄道十二宮の星座たち

 法月綸太郎の「犯罪ホロスコープ-本格推理小説Ⅱ-三人の女神の問題-」を読了した。著者はミステリー作家で、いわゆる新本格派の代表的作家である。本書は、黄道十二宮の星座をモティーフとした連作短編集の第二作である。本書は「法月綸太郎」シリーズの作品であるが、ここでいう「法月綸太郎」は著者の法月綸太郎により創作された、推理小説作家で名探偵の「法月綸太郎」という人格である。  「宿命の交わる城で-天秤座…

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ギリシャ神話の星座たち

 法月綸太郎の「犯罪ホロスコープ-本格推理小説Ⅰ-六人の女王の問題-」を読了した。著者はミステリー作家で、いわゆる新本格派の代表的作家である。本書は、黄道十二宮の星座をモティーフとした連作短編集の第一作である。本書は「法月綸太郎」シリーズの作品であるが、ここでいう「法月綸太郎」は著者の法月綸太郎により創作された、推理小説作家で名探偵の「法月綸太郎」という人格である。  「ギリシャ羊の秘密-牡羊座…

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著者別インデックス:国内(法月綸太郎)

1.犯罪ホロスコープ-本格推理小説-1 (2008.01)   https://smcb.jp/diaries/9208272 2.キングを探せ (2011.12)   https://smcb.jp/diaries/5103799 3.犯罪ホロスコープ-本格推理小説-2(2012.12)   https://smcb.jp/diaries/9270805 4.ノックス・マシン (2013.03…

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プロバビリティーの犯罪

 法月綸太郎の「赤い部屋異聞」を読了した。著者はミステリー作家で、いわゆる新本格派の代表的作家である。本書は、著者が愛する九篇の、東西の傑作ミステリーに捧げた、オマージュの連作短編集である。なお、本書では各篇の後に「細断されたあとがき」が書かれており、オマージュの原典とその簡単な内容が紹介されている。  「赤い部屋異聞」:原典は江戸川乱歩の「赤い部屋」である。鉄道事故で妻を喪い、体調を壊していた…

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ミステリー作家と名探偵達

 法月綸太郎の「法月綸太郎の消息」を読了した。著者はミステリー作家で、いわゆる新本格派の代表的作家である。本書は「法月綸太郎」シリーズの7年ぶりの最新作で、4篇を収録した短編集であり、同シリーズ初登場以来30年目の作品である。なお、ここでいう「法月綸太郎」はミステリー作家ではなく、作家の法月綸太郎により創作された、名探偵としての「法月綸太郎」という人格である。  「白面のたてがみ」:本篇は、シャ…

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天下の奇書

 法月綸太郎の「挑戦者たち」を読了した。著者はミステリー作家で、いわゆる新本格派の代表的作家である。本書は99篇の作品を収録した掌編集であるが、作品のテーマは唯一で、全て「読者への挑戦」である。  「読者への挑戦」とは、古今の本格系の推理小説の途中のページに挿入され、推理小説の問題提示部と問題解決部を分かつものである。よくあるパターンとして、「推理に必要な必要な情報はこれまでの部分で全て提示され…

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古典ミステリーについての薀蓄

法月綸太郎の「ノックス・マシン」を読了した。著者はミステリー作家で、いわゆる新本格派の代表的作家である。本書は著者には珍しく、ミステリー風味のSF短編集である。  「ノックス・マシン」:時代は2050年代後半、文学は最早人間の手を離れ、ノーベル文学賞を受賞した物語生成方程式により創られていた。その時代に、上海大学で時流に合わないアングロサクソン探偵小説を研究していたユアン・チンルウは、博士論文の…

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配られたトランプ

法月綸太郎の「キングを探せ」を読了した。著者は、いわゆる新本格派のミステリー作家である。本書は、著者と同名の作家法月綸太郎とその父親である法月警視が探偵役で活躍するシリーズの最新作である。本書の最初の部分は倒叙形式になっているが、最後はかなり捻りの効いたストーリーになっている。  「カネゴン」、「夢の島」、「イクル君」、「りさぴょん」の4人は、それぞれに殺したい人間がいたため、4重の交換殺人を計…