朝井まかて の グッドバイ

★3.5 「天翔ける女」から40年、「お庭番」の作者が同じ長崎が舞台の女商人・大浦慶の生涯を描く。「龍馬伝」では余貴美子が演じていた。

幕末の長﨑、油屋町で菜種油問屋・大浦屋の跡取り娘・慶は油商いの先細りに、新事業を考えていた。わずかの伝手から日本の緑茶を輸出するまでに漕ぎ着けた。長﨑開港後の輸出額の2割にまで拡大し財をなす。

アメリカ向けの緑茶は静岡茶に圧され始めた時、慶は煙草の輸出業の保証人となり騙される。後年これらの借財は返済でき、横浜製造所や海運船への投資なども行う。

「天翔ける女」では嬉野、八女に出かけての苦労話が満載であつたが、この作品