連載:あけび庵の日記

あけび庵の日記

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あけび庵の日記
猫の恋
猫の交尾期は年に数回あるが伝統俳句では立春後
初めての猫の恋を捉えて詠む。春の恋猫(雄猫)は
夜昼を問わず狂おしく鳴きたてて妻を恋い行き来
する。人を怖れず風雨にも怯えず殆ど家には居つ
かない。何日ものあとやつれ果てて帰ってくるの
も少し憐れでもある。

姿見の猫の恋でも背を伸ばし     あけび庵
丑三つやサイレンのごと猫の恋      ねこ
同居のタマ七日家あけ猫の恋       ねこ
猫の恋七日ぶり見し減量し        ねこ
吾が前をタマ駆け抜けし猫の恋      ねこ
家のタマ似し小さき命猫の恋