「北京から来た男」ヘニング・マンケル著

ヘニング・マンケルと言えば、「刑事ヴァランダー」ものが有名。ただ、本作はシリーズとは独立した単発の小説となっている。

「刑事ヴァランダー」でもそうだったように、著者はある事件を読者に提示してその奥に潜む社会問題をあぶりだす。

本作「北京から来た男」も同様。今から150年前に中国人が欧米に連れ去られ、奴隷として使役させられた時代から始まる。時は今の時代に移る。中国人は新しい大陸に進出し、彼ら自身の大陸を建設している姿を活写する。

こういった流れを、中国人一族の目を通し描いた歴史小説ともいえるミステリとなっている。

時は、2006年。
スウェーデン北