天野純希 の 信長、天が誅する

★3.4 信長に関係する5人の眼でみた信長像の短編。

井伊家の眼から見た桶狭間の戦い。
浅井家に嫁いだお市の眼で「姉川の戦い」を。
門徒の眼から長島一向一揆を。
武田勝頼の眼で長篠の戦いを。
織田家の柱石として活躍した光秀は老いたと信長からみなされて。

信長はその生涯において何度も危機を迎えている。だが、それらを人の思いもよらぬ奇抜な手法と、奇跡としかいいようのない運にも恵まれてきた。「姉川の戦い」などには新たな知見も用いられてはいるが、この時期に出版される割には中身に驚きを感じられないのはちょっと残念。明智光秀の心情についてはもっと掘り下げてほしい