木下昌輝 の まむし三代記

★3.3 法蓮坊、道三2代の美濃の国取物語だが、初代の松波高丸を加え3代の〈国滅ぼし〉をめぐる話が主題である。

「国崩し(フランキ砲)」によく似たことばで、道三の周辺(読者を含め)まどわすが、その着想は面白い。

越前の朝倉氏、近江の六角氏と浅井氏、尾張の織田氏などの影響を受ける美濃という地の特殊性、木曽3川による交易など興味深い話も多い。朝倉宗滴により浅井亮政(長政の祖父)は騙し討ちで小谷城を追われ美濃に落ちる。などと浅井朝倉の仲がこうあったとは。

法蓮坊が源太、宝念、馬の助、牛次、石弥などの手下を使って活躍する話も一昔前の戦国ものの匂いがして面白